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水道水が熱帯魚に及ぼす毒性と解決策

  • 執筆者の写真: Hadesu
    Hadesu
  • 2024年3月9日
  • 読了時間: 5分

水道水中の塩素とは

水道水に含まれる塩素は、殺菌や消毒のために添加されることがあります。一般的には、水道水中の塩素濃度は安全基準内であり、人体に深刻な影響を与えることはありません。ただし、高濃度の塩素は皮膚や目に刺激を与える可能性があり、長期間の暴露は呼吸器系や消化器系に影響を与える可能性があります。それでも、水道水中の塩素は水の安全性を確保するための重要な手段です。

塩素とは

塩素(Cl₂)は、周期表で塩素元素(Cl)から成る二原子分子であり、黄緑色の有毒な気体です。一般的には殺菌や漂白などの目的で使用され、水処理やプールの消毒、製紙工業などに広く利用されています。

よく聞く次亜塩素酸とは

次亜塩素酸(ClO^-)は、塩素原子が酸素原子と結合した陰イオンです。水中で塩素が水と反応して生成され、強力な酸化剤として作用します。次亜塩素酸は、殺菌や消毒のために広く使用され、水道水の消毒やプールの水処理などに利用されます。

塩素と次亜塩素酸の違い

塩素(Cl₂)と次亜塩素酸(ClO⁻)とは、化学的に異なる物質です。

塩素(Cl₂)は、二原子分子であり、黄緑色の有毒な気体です。一般的に、殺菌や漂白などの目的で使用されます。

一方、次亜塩素酸(ClO⁻)は、塩素原子が酸素原子と結合した陰イオンです。この化合物は、水中で塩素が水と反応して生成され、強力な酸化剤として作用します。殺菌や消毒のために広く使用され、水道水の消毒やプールの水処理などに利用されます。

塩素と次亜塩素酸は、化学的に関連していますが、異なる物質であり、それぞれの特性と用途が異なります。

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水道水に含まれる次亜塩素酸の毒性

次亜塩素酸は魚にとって有害であり、高濃度の次亜塩素酸が水中に放出されると、魚の呼吸器系や皮膚にダメージを与える可能性【エロモナスやカラムスナリス系の感染症を発症する】があります。また、魚の鰓や体表面の微生物に対しても影響を及ぼすことがあります。適切な濃度で使用されれば、次亜塩素酸は水中の微生物を除去するために効果的であり、水質管理に役立ちますが、過剰な使用や不適切な投与量は生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、熱帯魚にとって、適切な量であれば次亜塩素酸は通常は毒性が低いとされています。しかし、高濃度の次亜塩素酸は魚の呼吸器系や皮膚に影響を与え、魚の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、熱帯魚は塩素や次亜塩素酸に対して比較的敏感であり、適切な濃度でない場合にはストレスを引き起こすことがあります。したがって、熱帯魚の飼育環境では水質管理が非常に重要であり、水道水を使用する場合には、必要に応じて水を脱塩したり、水道水処理剤を中和したりすることが推奨されます。

つまり、熱帯魚を飼育する飼育水は必ず次亜塩素酸を含む塩素系の物質【以降残留塩素】を中和させた水を使用することだけ感染症予防につながるということです。

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残留塩素を取り除く手段と方法

水道水から残留塩素を完全に取り除くことは難しいですが、いくつかの方法があります。

1. 残留塩素を取り除く: 水道水に含まれる塩素や次亜塩素酸は、長時間放置するか、フィルターを通すことで取り除くことができます。一般的に、水を放置しておくことで塩素は揮発して次亜塩素酸に変わり、時間とともに揮発してなくなります。

2. 活性炭フィルター: 活性炭フィルターは、水道水から塩素やその他の不純物を吸着し、除去するのに効果的です。

3. 逆浸透(RO)フィルター: 逆浸透フィルターは、水道水を高圧下で通すことで、塩素や他の不純物を含む分子を取り除くのに効果的です。この方法は、非常に純粋な水を得るために広く使用されています。

4. 活性塩素を中和する: 活性塩素を中和する添加剤や処理方法を使用して、水道水中の次亜塩素酸を除去することもできます。例えば、硫化物イオンや硫酸塩を添加することで次亜塩素酸を中和することができます。

これらの方法は、水道水中の残留塩素を減らすために効果的な手段ですが、完全に取り除くことは難しい場合があります。

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最も効果的に残留塩素を取り除く手段

残留塩素は日光の紫外線によって分解され、揮発することがあります。紫外線は塩素分子を分解し、塩素原子と塩素ラジカルを生成します。これにより、塩素の消毒効果が低下し、水中の微生物や有機物質が分解されることがあります。したがって、水を日光にさらすことで、残留塩素が自然に分解して水から除去されることがあります。

紫外線によって残留塩素を取り除く手段と方法紫外線は、可視光線とX線の間の電磁波スペクトルの一部です。紫外線は波長によってさらに分類されますが、主なカテゴリーは以下の通りです:

1. **紫外線A(UVA)**: 320~400ナノメートル(nm)の波長を持ち、主に日焼けや肌の老化を引き起こすとされています。

2. **紫外線B(UVB)**: 280~320ナノメートルの波長を持ち、主に日焼けや皮膚がんの原因となるとされています。

3. **紫外線C(UVC)**: 100~280ナノメートルの波長を持ち、高いエネルギーを持つため紫外線殺菌灯などに使用されます。

水道水の残留塩素を分解するのに効果的な波長は主にUVC領域にあります。UVCの波長は100~280ナノメートルの範囲内にあります。

まとめ

すなわち、水道水中の残留塩素は熱帯魚を病気にするリスクが高く全てを取り除きたいが、中和剤でも完全に取り除くのは困難であり、最も効果的なのは紫外線UVCであるが通常飼育の場合には中和剤でも問題ないと言う感じです。

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