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アクアリウムにおける脱窒とは

  • 執筆者の写真: Hadesu
    Hadesu
  • 2024年3月2日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月19日

脱窒(だっちょく)とは

窒素化合物を無害な窒素ガスに変換する過程を指します。一般に、脱窒は微生物によって行われ、窒素循環の一部として重要な役割を果たしています。具体的には、アンモニアや亜硝酸塩、硝酸塩などの窒素化合物が微生物によって分解され、窒素ガス(N2)として大気中に放出される過程です。これにより、水中や土壌中の窒素化合物の濃度を減少させ、環境への窒素汚染を軽減する役割があります。特に、水中の脱窒は水質管理や水産業において重要なプロセスです。

具体的に微生物による窒素固定とは、微生物が脱窒後の窒素分子(N2)を有機化合物に変換するプロセスです。このプロセスは大気中の窒素を土壌や水中の生物が利用可能な形に変換し、生態系における窒素循環を促進します。窒素固定は植物や他の生物が窒素を利用できるようにする重要な過程であり、窒素を生物圏に利用可能な形で供給する役割を果たしています。

窒素固定の化学式は次の通りです:

N2 + 8H+ + 8e- + 16ATP → 2NH3 + H2 + 16ADP + 16Pi

これは一般的な窒素固定の過程であり、窒素分子(N2)が水素イオン(H+)と電子(e-)を受け取り、アンモニア(NH3)と水素ガス(H2)に還元されます。このプロセスにはATP(アデノシン三リン酸)がエネルギー源として使用されます。

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地球規模の窒素循環

地球規模の窒素循環は、大気、土壌、水域、生物など、地球上のさまざまな部分で窒素が循環する過程を指します。主なプロセスには以下が含まれます:

1. 大気中の窒素固定: 大気中の窒素ガス(N2)を微生物や雷などの過程によってアンモニア(NH3)や他の化合物に変換するプロセス。

2. 地表面への窒素沈着: 大気中の窒素化合物が雨や雪といった形で地表面に沈着し、土壌や水域へと供給されます。

3. 土壌中の窒素循環: 土壌中では、窒素が有機物として存在し、微生物によって分解されたり、植物に吸収されたりします。また、窒素が硝酸塩やアンモニウムなどの形で土壌中で循環します。

4. 生物による窒素利用: 植物は土壌中の窒素を吸収し、生物体内でアミノ酸やタンパク質などの有機化合物に組み込みます。このプロセスは食物連鎖を通じて他の生物にも伝播します。

5. 窒素フィクサーの役割: 根粒菌やシアンバクテリアなどの微生物が窒素ガスを固定して土壌中の窒素を有機化合物に変換することで、生態系に窒素を供給します。

6. 窒素の流出と再循環: 地表水や地下水に流出したり、河川を通じて海洋へと運ばれる窒素は、再び微生物や植物によって利用されることで循環が維持されます。

これらのプロセスが連携して、地球規模の窒素循環が維持されています。

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微生物と植物と窒素の関係性

微生物と植物の間には密接な窒素循環の関係があります。主なポイントは以下の通りです:

1. **窒素固定**: 植物は窒素固定能力を持たず、窒素を有機化合物に変換する能力がありません。しかし、根粒菌やシアンバクテリアなどの窒素固定微生物は、大気中の窒素ガスをアンモニアなどの形で植物が利用可能な形に変換します。これにより、微生物は植物に窒素を供給し、植物はこれを成長や栄養に利用します。

2. **分解と再利用**: 植物が枯れたり、根や葉が落ちたりすると、それらの有機物は土壌中の微生物によって分解されます。窒素を含む有機物はアンモニウムや硝酸塩などの無機化合物に分解され、再利用可能な形で土壌中に放出されます。このプロセスにより、微生物は窒素循環を促進し、植物が利用可能な窒素を供給します。

3. **共生関係**: 植物と窒素固定微生物の間には共生関係があります。根粒菌は植物の根に共生し、植物は根粒菌に糖分を供給し、引き換えに窒素を供給してもらいます。このような共生関係によって、植物は土壌中の窒素を効率的に利用することができます。

総じて、微生物と植物は窒素循環において密接に関連しており、窒素固定や有機物の分解と再利用などのプロセスを通じて、窒素が生態系内で循環し、植物の成長や生存に必要な栄養素として供給されます。

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